子どもに伝えたい事 『貯める編』
■はじめに
資産形成をはじめたり、経済的自由を得るための第一歩は、「生活の満足度を下げずに支出を減らす(貯める力)」を身につけることだと考えます。
経済的に余裕がある状態というのは「生活費 < 資産所得」の状態であり、貯める力をつければ生活費を下げつつ資産所得を貯めやすくなります。
貯める力とは
- 節約と節税で支出のバランスをコントロールする力
- 各支出の必要性を見極めて、人生の満足度を下げずに必要なお金を貯める。
- 節約するとこは徹底して使うべきとは使う
- 効果の高い節約でお金を貯めつつ、ストレスは溜めない。
- 自分の欲求(お金を何に使いたいか)に優先度をつける
貯める力に大事な事
- 1回の支出よりも固定費を見直す
- 金額の大きな支出から見直す
特に固定費の見直しは効果があらわれやすく、続けやすいです。まずは下記に挙げている物を見直してみてはどうでしょうか?
- 通信費:スマホ代や自宅の固定回線を見直す。
- 光熱費:電力・ガス会社の乗り換える。
- 保険:契約している保険を見直す。
- 住宅:マイホームや賃貸にかかる費用を見直す。
- 車:必要性の検討。
- 税金:税金や社会保険、控除の仕組みを知る
■通信費の見直しについて
①格安SIMの利用
毎月の通信費はどれくらいでしょうか。大手キャリアで契約し、月8000円以上の通信費を支払っているのであれば、格安SIMに変更するだけで5000円以上の固定費削減が可能です。
- 月8000円の場合→96000円/年
- 月3000円の場合→36000円/年
このように格安SIMに乗りかえるだけで、年間5万円以上の削減になります。格安SIMプランは基本的にインターネットのみでの契約やサポートになりますが、最近はUQモバイルやahamoなど、大手キャリアでも格安プランがでているので、店頭サポートの必要性の有無で検討してみてください。
また、格安SIMの業界では次々と新しいプランが発表されるため、すでに格安SIMを使っている人も定期的に見直すことがおすすめです。
②自宅のインターネット回線を適切に見直そう
自宅のインターネット回線の固定費も見直してみましょう。インターネット回線は、契約内容が複雑だったり選択肢が多かったりするため、すすめられたものをよく分からないまま契約している人も多いでしょう。インターネット回線の多くは数年単位での契約が必要であり、違約金の関係ですぐに見直せないケースもあるので、まずは更新月や契約プランの確認をして、他社との比較をしてみてください。
■光熱費の見直しについて
①電気代について
2016年4月から一般家庭でも電力自由化が始まり、電力会社を自由に選べるようになりました。電力会社を一度見直せば年間10,000円以上の固定費削減効果が得られます。
②都市ガスについて
都市ガスは2017年から自由化が始まり、自分でガス会社を選べるようになりました。自由化に伴い、様々な企業が参入した結果、家族構成や利用スタイルに応じて最適なプランを選べるようになっています。
電気代や都市ガスを見直す方法としておすすめなのが、比較サイトの利用です。
電力・ガス一括比較サイトである「エネチェンジ」では、一括見積りができます。
③プロパンガスについて
あまり知られていませんが、プロパンガスは都市ガスや電力の自由化が始まるよりも前から自由化が始まっています。もし皆さんがプロパンガス代が高いと感じているのであれば、契約プランやガス会社を見直すことで、安くできる可能性があります。
■保険の見直しについて
①保険について考え方
保険は固定費の中でも占める割合が多く、生命保険文化センターの「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、年間平均で38.2万円もの金額を保険料として支払っているようです。なかなか貯蓄ができなくて困っている方の家計状況をみてみると、多額の保険料を支払っている人が多いそうです。これは明らかに本末転倒といっていいでしょう。大切なのは保険の必要性を考慮したうえで、自分に合った適切な保障のついた保険を選ぶことです。
保険は「低確率・大損失」のトラブルに備えるために加入するモノです。
②保険を見直す際に考えること:健康保険や年金について理解する
- 高額療養費制度:医療費が月にどれだけかかっても、自己負担限度額を超えた分は払い戻しがある制度。
- 障害年金:ケガや病気によって仕事が制限された場合に受給できる年金。
- 失業給付:雇用保険の被保険者が失業した場合にもらえるお金
- 年金:65歳以上になるともらえる老齢年金以外にも障害年金や遺族年金がある。
③本当に必要な保険とは
- 掛け捨ての生命保険(子育て世帯のみ)
- 自動車保険(対人・対物無制限)
- 火災保険
■住宅について
①住宅ローンについて確認すること
②適切な金額・補償の火災保険に見直そう
火災保険はマイホームの購入時や賃貸契約の際に加入しますが、仲介業者や住宅会社などが指定する保険を選んでいる人も多いのではないでしょうか。火災保険自体は必要ですが、業者がすすめる保険は補償が薄かったり、割高だったりする可能性があります。
火災保険は安いものであれば年間3,000円前後、補償を充実させても年間8,000円前後で済みます。
③引越し費用を安くする方法
- 大手の引っ越し業者を使わない
- 相見積もりをとる
- 一番安くなる時期や時間帯を希望する
- 自分ができる範囲の作業や準備は行う
④賃貸契約時に注意するポイント
- 割高な火災保険
- 害虫駆除や室内消毒の費用
- 法令を無視した仲介手数料
- 鍵交換代やハウスクリーニング費用
- 業者が勝手に請求する礼金
⑤修繕費を安くする方法
賃貸物件の部屋に損害を与えてしまった場合、火災保険が使える場合があります。もちろん全ての損害に対して補償を受けられるワケではありませんが、火災保険の補償範囲は非常に広いので、一度確認してみましょう。
■車の費用について
- 車の必要性を確認する
- リセールバリューを意識した車の選び方を知る
①車の必要性を理解する
車を購入して保有した場合にかかる費用として車体代金以外にも、ガソリン代や保険代、駐車代、自動車税、車検代、消耗品代等がかかります。車の必要性は住んでいる地域や家族構成、仕事などの要因によって異なります。しかし、固定費の削減という観点だけで見れば、車を持たない選択肢も検討すべきです。
②リセールバリューについて考える
リセールバリューとは「購入した物を再度販売するときの価格」のことです。リセールバリューの高い車とは、中古でも欲しい人が多い車とも言い換えられます。ちなみに、大衆車は数年で価格が半額程度になることが多いですが、リセールバリューの低い車をローンや借金で購入しているなら、お金持ちへの道は遠ざかってしまうでしょう。
■税金について知っておく
会社員や公務員の場合、給与から源泉徴収という仕組みで徴収されるため、税金についてわからないことが多いです。だからこそ、税金について学び、手元に少しでも多くのお金を残す方法を知る必要があります。まずは給与明細や源泉徴収票をみて、何にいくら引かれているか確認してみましょう。例として以下のものが挙げられます。
①所得控除について知る
同じ額面収入がある人同士であっても家族構成の違いによって手取り収入額は違ってきます。所得控除については以下のものが挙げられます。
■まとめ
固定費の削減は細かい部分にまで目を向けてはキリがなく、時間がかかる割に効果が薄かったり、ストレスが溜まってしまう節約もありますので、固定費の削減は80点取れれば問題ないと考えましょう。貯める力を身につけながら、増やす力も伸ばす事で、経済的自由を達成するスピードが速くなります。